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デンヨーとエアマン(北越工業)の発電機を比較|DCAとSDGの違いはエンジンより「部品と整備」に出る

デンヨーDCAとAIRMAN(エアマン、旧 北越工業)SDGは、25・45kVAクラスでは中身が近い発電機です。代表機は両社ともクボタ製の同じ型式のエンジンを積み、どれも超低騒音型です(デンヨーDCAカタログ、AIRMAN SDGカタログ)。違いが出るのは、部品と取扱説明書の入手ルート、油漏れ対策と整備の仕組み、点検間隔の指定、シリーズの組み方です。中古なら、メーカーより個体の状態と、近くの窓口を優先して選んでください。

違いの要点は次の4つです。

  • 部品と取扱説明書:デンヨーは最寄りのサービス工場、AIRMANは地区の部品センターが窓口
  • 油漏れ対策と整備:デンヨーはエコベース、AIRMANはリークガードで、漏れた油を機体の下部に溜める
  • 点検間隔:同じエンジンの25kVAでも、エンジンオイルの交換間隔の指定が違う
  • シリーズの組み方:デンヨーはボディと騒音の段階、AIRMANは機能の記号を組み合わせる

このほか、標準の電源切替も機種で違います(比較①)。

北越工業は、2025年4月1日に社名を株式会社AIRMANへ変えました(AIRMAN会社概要)。中古機の銘板には、旧社名の「HOKUETSU INDUSTRIES CO., LTD.」と書かれたものがあります(当社で扱った機体でも確認しています)。旧社名の銘板でも、同じ会社の製品です。

この記事は、両メーカーの中古機を扱っている当社の立場から、どちらにも肩入れせずに公開資料で比べます。

デンヨーDCAとAIRMAN SDGの比較の結論図。25kVAはクボタV2403-K3A、45kVAはクボタV3600-T-K3Aと同じ型式のエンジン。違いが出るのは部品・取扱説明書の入手ルート、油漏れ対策と整備の仕組み、点検間隔の指定、シリーズの組み方の4つ(発電機の絵はイメージ図)
目次

この記事の対象者

対象は、25〜45kVA前後の可搬型ディーゼル発電機を、中古で買う・入れ替える方です。中小建設会社の現場責任者や購買担当で、メーカーの違いが分からず迷っている方を想定しています。

建物に据え付ける非常用などの据置型は対象外です。型式の記号の細かい読み方と、価格の見方は別記事で扱います。

両社の位置づけ|どちらも販売店・レンタル会社を通じて出回る

デンヨー

  • 1kVAから1100kVAまでのエンジン発電機を製造しています(デンヨー決算説明資料)
  • 可搬形エンジン発電機の国内シェアを70%と公表しています。「当社調べによる(5年平均)」との注記つきです(デンヨー決算説明資料)
  • 販売は、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて行い、お客様への直販はしていません(デンヨー有価証券報告書、デンヨーFAQ)

AIRMAN(旧 北越工業)

  • エンジンコンプレッサ、モータコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などを製造・販売しています(AIRMAN会社概要)
  • 2026年3月期のエンジン発電機の国内シェアを29.7%と公表しています。「(一社)日本電機工業会資料による当社推計値」との注記つきです(AIRMAN決算説明資料)
  • 販売は全国の商社・販売代理店が中心で、レンタル会社や産業機器商社等を通じて供給しています(AIRMAN統合報告書2026)

シェアの数字は、両社がそれぞれの方法で調べた、または推計した値です。対象や算出方法が違うので、足し合わせたり、差で比べたりはできません。

どちらも、主な売り先は販売店やレンタル会社です。中古では、レンタル会社で使われた機体をよく見かけます。

比較① 25・45kVAの中身|エンジンは同じ型式、数値の差は小さい

三相の出力は、25kVAクラスが50Hz時20kVA/60Hz時25kVA、45kVAクラスが37kVA/45kVAで、両社とも同じです(デンヨーDCAカタログ、AIRMAN SDGカタログ)。kVAとは、発電機が一度に出せる電気の大きさの単位です。

以下は各社カタログの仕様表の値です。数値は「50Hz/60Hz」の順で、LwAは60Hzの値です。騒音は無負荷時の値です。

25kVAクラス|どれもクボタ V2403-K3A

比べるのは、油の流出対策つきの次の4機種です。

  • デンヨー:DCA-25LSKE(エコベース)、DCA-25LSKB(ビッグタンク搭載エコベース)
  • AIRMAN:SDG25L-5B1(リークガード)、SDG25LX-5B1(リークガード・大容量燃料タンク)

エンジンは4機種ともクボタ V2403-K3Aで、エンジンの定格出力も同じです。

  • デンヨー:DCA-25LSKE・25LSKBとも19.1/23.7kW(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG25L-5B1・25LX-5B1とも19.1/23.7kW(AIRMAN SDGカタログ)

燃料タンクは、標準の機種が70L、大容量の機種が175〜180Lです。

  • デンヨー:DCA-25LSKEが70L、DCA-25LSKBが175L(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG25L-5B1が70L、SDG25LX-5B1が180L(AIRMAN SDGカタログ)

燃料消費量は、1時間あたりの軽油の量です。50%負荷とは、発電機の出力の半分ほどの電気を使っている状態です。

  • デンヨー:50%負荷で2.9/3.8L、75%負荷で3.9/4.9L(DCA-25LSKE・25LSKB共通。デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:50%負荷で3.1/3.9L、75%負荷で4.2/5.2L(SDG25L-5B1・25LX-5B1共通。AIRMAN SDGカタログ)

DCA-25LSKBは、カタログで最大60/46時間の連続運転です(50%負荷時。デンヨーDCAカタログ)。SDG25LX-5B1は記載がなく、タンク容量÷50%負荷の燃料消費量で約58/46時間です(筆者計算)。

騒音は、7m値とLwAの2種類が載っています。7m値は、機械から7m離れた四方向で測った音の大きさの平均です。LwA(音響パワーレベル)は、機械そのものが出す音の量で、国の低騒音型の指定に使う値です。

  • デンヨー:DCA-25LSKEが7m値61/63dB(A)・LwA 88dB、DCA-25LSKBが57/61dB(A)・LwA 87dB(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG25L-5B1・25LX-5B1とも7m値59/63dB(A)・LwA 90dB(AIRMAN SDGカタログ)

寸法(全長×全幅×全高)と乾燥質量は次のとおりです。乾燥質量とは、燃料や油脂類を入れていない状態の質量です。

  • デンヨー:DCA-25LSKEが1540×700×1045mm・660kg、DCA-25LSKBが1540×700×1260mm・735kg(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG25L-5B1が1540×700×1090mm・675kg、SDG25LX-5B1が1540×700×1250mm・720kg(AIRMAN SDGカタログ)

数値を読むときは、次の4点に注意してください。

  • 燃料消費量:両社とも「50%負荷」「75%負荷」の値ですが、測定方法の詳細はカタログに書かれていません。同じエンジン・同じ定格出力なので、小さな差で燃費の優劣は決められません
  • 騒音:50Hzの7m値はSDG25L-5B1のほうが小さく、LwAはDCA-25LSKEのほうが小さい値です。物差しによって大小が入れ替わる程度の差で、4機種とも超低騒音型です(デンヨーDCAカタログ、国土交通省 指定一覧)
  • 寸法・質量:ボディの作りが違うので、差をそのままメーカーの優劣とは見ないでください。油の流出対策のない標準仕様は、デンヨーではノーマルベースのDCA-25LSK・45LSK、AIRMANではSDG25S-3B1・SDG45S-3B2です(デンヨーDCAカタログ、AIRMAN SDGカタログ)
  • 電源の切替:デンヨーのDCA-25LSKE・25LSKB・45LSKE2・45LSKB2は、三相400V・三相200V・単相100/200Vをワンタッチで切り替える「3電源仕様」が標準です(デンヨーDCAカタログ)。AIRMANは、SDG25L-5B1・25LX-5B1が三相200V/単相3線の切替、SDG45L-5B2・45LX-5B2が三相200V/400Vの複電圧を標準にしています(AIRMAN SDGカタログ)。400Vの機器や単相3線の分電盤につなぐ場合は、型式ごとに仕様表で確かめてください

騒音の区分や7m値とLwAの違いは、別記事「DCA-25LSKBの「LS・K・B」とは?デンヨー発電機の型式の見方と超低騒音型の選び方」で詳しく解説しています。

45kVAクラス|代表機はどれもクボタ V3600-T-K3A

比べるのは、油の流出対策つきの次の4機種です。

  • デンヨー:DCA-45LSKE2(エコベース)、DCA-45LSKB2(ビッグタンク搭載エコベース)
  • AIRMAN:SDG45L-5B2(リークガード)、SDG45LX-5B2(リークガード・大容量燃料タンク)

エンジンは同じ型式ですが、カタログに載っているエンジンの定格出力は違います。

  • デンヨー:DCA-45LSKE2・45LSKB2とも33.1/37.7kW(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG45L-5B2・45LX-5B2とも35.0/42.5kW(AIRMAN SDGカタログ)

この違いの理由は、どちらのカタログにも書かれていません。発電機としての出力は、どちらも三相37/45kVAです。

燃料タンクと燃料消費量は、ほぼ同じ値です。

  • デンヨー:タンクは110L(45LSKE2)と350L(45LSKB2)。消費量は50%負荷4.9/6.2L、75%負荷7.1/8.8L(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:タンクは110L(45L)と355L(45LX)。消費量は50%負荷4.9/6.1L、75%負荷7.0/8.6L(AIRMAN SDGカタログ)

騒音も、7m値・LwAとも近い値です。

  • デンヨー:DCA-45LSKE2が7m値58/60dB(A)・LwA 87dB、DCA-45LSKB2が56/59dB(A)・LwA 87dB(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG45L-5B2・45LX-5B2とも7m値57/60dB(A)・LwA 88dB(AIRMAN SDGカタログ)

寸法と乾燥質量は次のとおりです。

  • デンヨー:DCA-45LSKE2が1850×880×1350mm・1060kg、DCA-45LSKB2が1850×880×1600mm・1150kg(デンヨーDCAカタログ)
  • AIRMAN:SDG45L-5B2が1850×860×1350mm・990kg、SDG45LX-5B2が1850×860×1560mm・1070kg(AIRMAN SDGカタログ)

8機種とも、国の超低騒音型です(デンヨーDCAカタログ、国土交通省 指定一覧)。なお、デンヨーの45kVAには、ヤンマー製エンジンを積むDCA-45LSYEもあります。運転データ記録機能が付いた機種です(デンヨーDCAカタログ)。

25kVA・45kVAの代表機のスペック比較。DCA-25LSKEとSDG25L-5B1、DCA-45LSKE2とSDG45L-5B2のエンジン・燃料タンク・7m値・LwA(各社カタログ)

比較② 部品と取扱説明書|窓口と入手方法が違う

部品の窓口

  • デンヨー:修理・部品はサービス工場が担当し、最寄りのサービス工場に問い合わせます(デンヨーFAQ)。部品は、グループ会社のデンヨー興産が常時12,000品種の在庫を管理しているとしています(デンヨー興産 部品部)
  • AIRMAN:消耗品部品は、最寄りの地区の部品センターへFAXか電話で問い合わせます(AIRMAN 部品のお問合せページ)。サービス子会社のエーエスシーは、「エアマン製品に関する全ての部品を取り扱って」いるとしています(エーエスシー)

AIRMANの部品センターは、北海道、東北・関東・甲信越・富山・石川、中部・福井・近畿・中国・四国・九州、沖縄の4地区に分かれています(AIRMAN 部品のお問合せページ)。

部品の供給期限

  • デンヨー:業界団体のガイドラインに準じ、全製品の供給期限を10年に設定しています(デンヨーFAQ)。いつから数えるかはFAQに書かれていませんが、準拠先のガイドラインでは、機種の生産中止の年月から数えます(日本建設機械工業会ガイドライン)。期限内でも、電子部品などの生産打ち切りで個別の相談になる場合がある、ともしています(デンヨーFAQ)
  • AIRMAN:供給期限の公表は、公式サイト・カタログ・IR資料・サービス子会社のサイトでは見つけられませんでした。購入前に、販売店か部品センターへ型式と製造番号を伝えて確認してください

公表が見つからないことだけで、部品の出やすさの良し悪しは判断できません。どちらのメーカーでも、古い機体は買う前に窓口で確認しておくと安心です。

取扱説明書とパーツリスト

パーツリストとは、部品の番号と図をまとめた一覧です。

  • デンヨー:公式サイトでダウンロードできる取扱説明書は、3kW以下の小型機のものです(デンヨーFAQ)。2021年7月以降に製造された製品は、貼られたQRコードから取扱説明書とパーツリストをWebで見られます(デンヨーFAQ、デンヨー ドキュメント参照サービスのお知らせ)。製造番号から合うものを選んで表示する仕組みで、対象はディーゼルエンジン発電機などの国内向け標準機です(デンヨー ドキュメント参照サービスのお知らせ)。それ以外の取扱説明書は、サービス工場で購入できます(デンヨーFAQ)
  • AIRMAN:公式サイトでダウンロードできるのは外形図のデータだけで、取扱説明書やパーツカタログは載っていません(AIRMAN ダウンロードページ)。公式の問い合わせページでは、「部品の購入に関するお問合せ」の例に「取扱説明書の購入/パーツカタログの入手」が挙がっています(AIRMAN お問い合わせページ)。部品と同じ窓口で相談する形です

共通のコツ|「型式+製造番号」で問い合わせる

どちらのメーカーも、部品は型式と製造番号で調べます。デンヨーのQRコードは製造番号で表示を選び、AIRMANは問い合わせにシリアルナンバー(SER.NO)か製造番号を求めています(AIRMAN 部品のお問合せページ)。

エンジンが同じクボタ製でも、フィルター類を含む部品の注文先は、各発電機メーカーの窓口です。部品番号が両社で共通かどうかは、この記事では確認できていません。

当社も在庫を、型式と製造番号の組み合わせで1台ずつ区別しています。製造番号だけだと、別の機種と番号が重なることがあるためです。中古を買ったら、銘板の型式と製造番号を写真で控えておいてください。

部品と取扱説明書の入手ルートの比較図。デンヨーは最寄りのサービス工場、AIRMANは地区の部品センターへFAX・電話。共通は型式+製造番号で問い合わせる

比較③ サービス体制|数より「近くに窓口があるか」

  • デンヨー:指定サービス工場は、公式の一覧に63件載っています(デンヨー サービスネットワーク)。直営の大型修理拠点「サービスセンター」を、関東(千葉県佐倉市、2023年3月新設)と西日本(岡山市、2025年4月新設)に置いています(デンヨー事業所一覧、デンヨー有価証券報告書)
  • AIRMAN:サービス子会社のエーエスシーが全国13か所に拠点を持ち、「100社以上の指定サービス工場で全国をカバー」しているとしています(エーエスシー)

件数は、一覧を数えた値と会社の表現で数え方が違うので、数の大小で優劣は決められません。

大事なのは、自分の現場や事業所の近くに、どちらの窓口があるかです。買う前に、各社の公式サイトの一覧で最寄りの窓口を確かめてください。

保証期間は、両社とも公式資料では見つけられませんでした。中古では、購入先の保証の有無と範囲を確認してください。

比較④ 油漏れ対策と整備の仕組み

油の流出対策つきのシリーズは、デンヨーのE・Bと、AIRMANのL系です。両社とも、漏れた油を機体の下部に溜めて外へ出にくくし、警報で知らせます。違うのは、その構造と、オイル交換や日常点検のやり方です。標準仕様の機種(デンヨーの無印=ノーマルベース、AIRMANのSDG-3B1/2)は、エコベースやリークガードのシリーズではありません。

油漏れ対策|エコベースとリークガード

  • デンヨー(エコベース):本体下部のエコベースに漏れた油を溜め、外部への流出を極力抑える構造です(デンヨーDCAカタログ)。エコベースの容量は、DCA-25LSKEが88L、DCA-45LSKE2が135Lです(デンヨー製品ページ)。満タンになっても油脂類より先に水を外へ出す、簡易油水分離構造を備えます(デンヨーDCAカタログ)。油や雨水が溜まると操作パネルの警報灯で知らせ、ビッグタンク機は2段階の予警報です(同)
  • AIRMAN(リークガード):カタログは記号Lを「オイル等の機外流出を可能な限り防ぐ」と説明しています(AIRMAN SDGカタログ)。漏れた燃料やオイルを受け止めるオイルフェンスを備え、その空間容量は「(燃料+オイル+冷却水)×100%以上」です(同)。規定量以上溜まると、モニタの警報ランプで知らせます(同)。カタログには「すべての油漏れを保証するものではありません」と注記があります(同)

両社とも「極力」「可能な限り」という表現で、漏れを完全に防ぐとはしていません。油の流出対策が求められる現場では、デンヨーならEかB、AIRMANならL系(L・LX・LA・LAXなど)の機種が候補になります。

イメージ図(イラスト):油漏れ対策の構造。デンヨーのエコベースとAIRMANのリークガード(オイルフェンス)の比較

オイル交換と水抜き

ドレンとは、溜まった液を抜くための口です。

  • デンヨー:エコベース機は、向きを変えられるスイベル式のオイルドレンです(デンヨーDCAカタログ)。エコベースは周囲のボルトを外すだけで脱着でき、溜まった雨水などは1インチ(Eは3/4インチ)のワンタッチドレンで抜けます(同)
  • AIRMAN:SDG-Lは、エンジンオイルの排出用ホースを標準装備しています(AIRMAN SDGカタログ)

日常点検

  • デンヨー:エンジンオイル、バッテリー、冷却水などの確認を1か所で行う、ワンサイドメンテナンス方式です(一部機種を除く。デンヨーDCAカタログ)。大型ドアで、日常点検をしやすくしています(同)
  • AIRMAN:エンジンオイルや冷却水の確認などの日常点検は、右サイドドアを開けて行います(AIRMAN SDGカタログ)。ボンネットは積み上げ式のパネル構造で、整備時の分解・組立をしやすくしています(同)

燃料切れのエア抜きと、異常の知らせ方

エア抜きとは、燃料切れのあと配管に入った空気を抜く作業です。

  • デンヨー:DCA-13〜25は、スタータスイッチを回すだけでエア抜きができます(デンヨーDCAカタログ)。エンジンの異常を検知して自動で止める非常停止装置と警報灯を備え、項目例では油圧低下・水温上昇でエンジンを止めて表示し、エアクリーナの目詰りは表示で知らせます(同)
  • AIRMAN:SDG13〜150は、給油してキースイッチを運転の位置に回すと、自動でエア抜きされます(AIRMAN SDGカタログ)。SDG13〜45は、過回転・油圧低下・水温上昇・充電不良で警報を出し、エンジンを非常停止します(同)。エアフィルタの目詰りは、警報ランプで知らせます(同)

どの異常でエンジンが止まるかは機種で違うので、取扱説明書で確かめてください。カタログの説明だけでは、どちらが整備しやすいかは決められません。中古では、エコベースやオイルフェンスに油や水が溜まっていないか、警報が点いていないかも見てください。

比較⑤ 点検間隔の指定|同じエンジンでも数字が違う

同じクボタ V2403-K3Aを積む25kVAクラスでも、発電機メーカーが指定する交換の間隔は違います。

  • デンヨー(DCA-25LSKE取扱説明書):エンジンオイルとオイルフィルタは、初回50時間、以後200時間ごとに交換します。エンジンオイルは、時間に達しなくても6か月に1度交換します。燃料フィルタは100時間ごとに洗浄、400時間ごとに交換です。エアクリーナは200時間ごとに点検清掃、500時間ごとに交換です(DCA-25LSKE取扱説明書)
  • AIRMAN(SDGカタログのメンテナンスサイクル):SDG13/25は、エンジンオイルが250時間、オイルフィルタが500時間ごとで、どちらも初回は50時間です。燃料フィルタは500時間、エアエレメントは1,000時間ごとです(AIRMAN SDGカタログ)。SDG45〜220は、エンジンオイルもオイルフィルタも500時間ごと(初回50時間)です(同)

デンヨーは取扱説明書、AIRMANはカタログの値で、出典の種類が違います。間隔は機種や使い方でも変わるため、数字の長短で「どちらが長持ち」とは言えません。

中古で買ったら、その機体の取扱説明書で間隔を確かめ、アワーメーターで次の交換時期を管理してください。アワーメーターとは、エンジンの運転時間の積算計です。

点検間隔の比較。デンヨーDCA-25LSKE(取扱説明書)とAIRMAN SDG13/25(カタログ)のエンジンオイル・オイルフィルタ・燃料フィルタ・エアクリーナの交換間隔

軽負荷で長く回さない|両社とも「定格の30%以下」に注意

軽負荷とは、発電機の能力に比べて、使う電気がとても少ない状態です。

  • デンヨー:軽負荷や無負荷で長時間運転すると、排気管やマフラーなどに未燃焼燃料やカーボンが溜まるとしています。目安は、発電機の定格電流値の30%以下です。対策は定期的に高負荷(定格)をかけることで、一気にかけず、50%程度から煙が薄くなるのを待って徐々に上げるよう求めています(デンヨー サービスニュース)
  • AIRMAN:定格の約30%以下の軽負荷や無負荷で長時間使うと、マフラー等に未燃燃料やカーボン(煤)が堆積するとしています。対策は定期的に80%以上の負荷をかけること(負荷試験機がなければ50%以上の実負荷でも可)で、こちらも徐々に負荷をかけるよう求めています(AIRMAN 軽負荷運転の注意文書)

どちらも、負荷をかけるとマフラーや排気口から火の粉が出ることがあるとして、周りに注意するよう書いています(デンヨーは、周囲に可燃物がないことの確認と消火設備の準備も求めています)。

メーカーを問わず、容量を大きく選びすぎると軽負荷になりやすく、整備の手間が増えるおそれがあります。容量の決め方は、別記事「発電機の容量(kVA)の選び方|必要容量の計算と「始動電流」の落とし穴」で解説しています。

比較⑥ シリーズの組み方|記号の付け方が違う

  • デンヨーDCA:出力は10.5kVA〜1100kVAです(デンヨーDCAカタログ)。ボディの種類と騒音の段階の組み合わせで分かれます(同)。ボディは無印=ノーマルベース、E=エコベース、B=ビッグタンク搭載エコベースです。騒音の段階は、LS・US・マーリエ(MZ)の3つです(同)。三相と単相を同時に出せる機種は、末尾が-D・-D2です(同)
  • AIRMAN SDG:出力は10.5kVA〜800kVAです(AIRMAN SDGカタログ)。標準仕様(SDG-3B1/2)のほか、L(リークガード)、X(大容量燃料タンク)、A(三相/単相3線同時出力)、R(分電盤内蔵)、Z・AS(極超低騒音仕様)の記号を組み合わせたシリーズがあります(同)

三相と単相の同時出力とは、三相の機器と単相の機器を、切り替えずに同時に使える機能です。デンヨーはサイマルジェネレータ、AIRMANはエイブルジェネレータと呼んでいます(デンヨーDCAカタログ、AIRMAN SDGカタログ)。

機能が近いものを並べると、次のとおりです。同じ性能という意味ではありません。

  • 油の流出対策:デンヨーはDCA-E(エコベース)、AIRMANはSDG-L(リークガード)
  • 大容量燃料タンク:デンヨーはDCA-B(ビッグタンク搭載エコベース)、AIRMANはSDG-LX
  • 三相・単相3線同時出力:デンヨーはDCA-◯-D・-D2、AIRMANはSDG-LA・LAX
  • 一段静かなシリーズ:デンヨーはDCA-US・マーリエ(MZ)、AIRMANはSDG-Z(ZL系)・AS

SDGの型式の末尾(-5B1など)は、「3B1/2 = 標準仕様」のほかは公式の説明が見当たりません。意味は推測せず、窓口に確認してください。

機能が近いシリーズの対応図。E(エコベース)とL(リークガード)、B(ビッグタンク搭載エコベース)とLX、-D・-D2とLA・LAX、US・MZ(マーリエ)とZ(ZL系)・AS

中古でどちらを選ぶか|確認する5つの順番

  1. 使う条件を先に決める。使う機器と台数、使う電圧(三相200V/400V、単相100/200V)、周波数(50Hz/60Hz)、連続運転時間、設置場所を整理します。これで容量と、電源の切替、油の流出対策・大容量タンク・同時出力の要否が決まります。メーカーを決めるのは、そのあとで十分です。
  2. 近くの窓口を調べる。デンヨーは指定サービス工場の一覧、AIRMANは地区の部品センターとエーエスシーの拠点を見ます。現場や事業所から近い窓口がある方を、候補の上位に置くのも一つの方法です。
  3. 銘板で型式と製造番号を控える。部品も取扱説明書も、この2つで調べます。
  4. 取扱説明書と部品の見通しを確かめる。取扱説明書が付くか、無ければどこで手に入るかを確認します。古い機体は、部品が今も手に入るかを、型式と製造番号で窓口に確かめます。
  5. 個体の状態と整備記録を見る。当社も仕入れでは、メーカーを問わず同じ項目を見ています。端子と切替の動作、端子ネジの破損、分電盤などのオプション、計測器を端子に当てた電圧と周波数の実測です。エンジンは、排気の色、音のリズム、金属音を確かめます。

個体の確認ポイントは、別記事「中古発電機を買う前に確認する7つのポイント|アワーメーター・絶縁抵抗・エンジン状態」にまとめています。

中古で発電機を選ぶときの5つの順番のフロー図。使う条件、近くの窓口、銘板の型式と製造番号、取扱説明書と部品の見通し、個体の状態と整備記録

候補選びで迷ったら、記事の最後の項目をお送りください。

よくある質問

Q1. 北越工業とAIRMANは別の会社ですか

同じ会社です。北越工業株式会社が、2025年4月1日に株式会社AIRMANへ社名を変えました(AIRMAN会社概要)。国の低騒音型の指定一覧にも、北越工業と株式会社AIRMANの両方の名前で載っている型式があります(国土交通省 指定一覧)。

Q2. シェアが大きいメーカーを選べば安心ですか

シェアは両社がそれぞれの方法で調べた・推計した値で、対象や算出方法が違うため並べて比べられません(デンヨー決算説明資料、AIRMAN決算説明資料)。当社は、中古で購入後の手間を左右しやすいのは、個体の状態と整備記録、近くの窓口だと考えています。

Q3. デンヨーの部品は10年で手に入らなくなりますか

デンヨーは供給期限を10年に設定していますが、いつから数えるかはFAQに書かれていません(デンヨーFAQ)。準拠先のガイドラインは、生産中止の年月から数えるとしています(日本建設機械工業会ガイドライン)。実際に手に入るかは、型式と製造番号をサービス工場に伝えて確かめてください。

Q4. AIRMANの45kVAは、デンヨーより出力が大きいのですか

発電機としての出力は、どちらも三相37kVA(50Hz)/45kVA(60Hz)です(デンヨーDCAカタログ、AIRMAN SDGカタログ)。エンジンの定格出力はカタログで違いますが、理由は書かれていないため、容量はkVAで比べてください。

まとめ

  • 25・45kVAの代表機は、両社ともクボタの同じ型式のエンジンで、どれも超低騒音型。発電機の出力も同じ
  • 燃料消費量・騒音・質量の差は小さく、数値の差だけでメーカーの優劣は決められない
  • 部品と取扱説明書は、デンヨーは最寄りのサービス工場、AIRMANは地区の部品センター。どちらも型式+製造番号で問い合わせる
  • 部品の供給期限は、デンヨーは10年(業界ガイドラインでは生産中止から数える)。AIRMANは公表が見つからないので窓口で確認する
  • 油の流出対策は、デンヨーはエコベース(E・B)、AIRMANはリークガード(L系)
  • 点検間隔は、その機体の取扱説明書で確かめ、アワーメーターで管理する
  • 標準の電源切替(3電源・複電圧など)は機種で違うので、使う電圧で確かめる
  • 中古は、メーカーより個体の状態と整備記録、近くの窓口を優先する

使う条件をお送りください|メーカーを問わず、条件に合う在庫から候補をご案内します

在庫の発電機は、型式から探せます。

[リンク:在庫一覧(型式で探す)]

メーカーを決めかねている場合は、次の5点をお送りください。メーカーを問わず、条件に合う在庫から候補の型式をご案内します。

  • 使う機器と台数(型式か消費電力が分かれば添えてください)
  • 使う電圧(三相200V/400V、単相100/200V)
  • 周波数(50Hz/60Hz)
  • 1日の連続運転時間
  • 設置場所(住宅地や夜間作業か、油の流出対策の指定があるか)

三相と単相を同時に使うかも添えていただくと、同時出力の機種が要るかまで絞り込めます。

借りるか買うかで迷っている場合は、別記事「発電機は年何日置くと「買った方が得」?レンタルと中古購入の損益分岐を25kVAで試算」をご覧ください。価格の見方は、別記事「中古発電機の価格相場はどう見る?新品・中古・買取の「価格の段」で分かる13〜220kVAの掲載例と値段の差の理由」にまとめています。

参考にした資料

すべて2026年9月30日閲覧。

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この記事を書いた人

とある建機販売会社に勤務。
整備や販売の現場に日々携わっています。
実際に機械を見て、触ってきた経験をもとに、購入、買換え、メンテナンスなど役立つ建機情報を分かりやすくお届けします。

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