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電動高所作業車の失敗談|実際に使った人がつまずいた選び方のミスと対策

高所作業車選びで多い3つの失敗(サイズ・足回り・作業性のイメージ)

高所作業車選びで特に多い失敗は、「高さ」だけで機種を決めてしまうことです。この記事では、一度購入して実際に使ったお客様から聞いた失敗談を紹介します。サイズ・足回り・操作性という、カタログの数字だけでは見えない落とし穴が分かります。これから高所作業車を選ぶ方が、同じ失敗を避けるための内容です。

高所作業車選びで多い3つの失敗(サイズ・足回り・作業性のイメージ)

この記事で分かること

  • 「大は小を兼ねる」で大きすぎる機種を選んだときに現場で起きること
  • タイヤ式とクローラー式の向き・不向きと、選び間違えた実例
  • 上げたまま走行・作業台のスライドなど、見落としやすい仕様
  • 失敗の共通原因である「作業の前後の動線」という考え方
  • 失敗を防ぐための2つの具体的な対策

この記事の対象者

これから高所作業車を購入する予定で、選び方で失敗したくない事業者・現場責任者を対象にしています。建機の専門家ではないが、カタログの数字だけでは分からない部分を事前に押さえておきたい方に向けた内容です。

目次

この記事の前提 ― すべて「買って使った人」のリアルな声

ここで紹介する失敗談は、すべて一度購入し、実際に現場で使ったお客様から聞いた話です。中古・新品を問わず、購入して使った方の声をまとめています。

カタログを見比べただけの机上の比較ではありません。買って、使って、初めて気づいた落とし穴です。だからこそ、これから選ぶ方にとって価値のある情報だと考えています。

失敗談①「大は小を兼ねる」で大きすぎる機種を選んでしまう

特に多いのが、必要以上に大きい機種を選んでしまう失敗です。

多くの方は、自分の作業に必要な高さをきちんと測ってきます。問題はその次です。「今後もっと高い場所を使うかもしれない」と考え、余裕を持たせて大きめの機種を選ぶ方がいます。一見、堅実な判断に見えます。しかし、ここに落とし穴があります。

高さに余裕を持たせるほど車体は大きく・重くなる

高所作業車は、高く上げられる機種ほど安定性を確保する必要があります。そのため、車体そのものが大きくなります。

具体的には、次のような変化が起きます。

  • 横幅が広くなる
  • 全長(前後の長さ)が長くなる
  • 車体を一番縮めた状態でも、その高さ自体が高くなる
  • 車体重量が重くなる

つまり「作業高さ」を上げると、その機械の物理的なサイズと重さが、まとめて大きくなるということです。

作業高さを上げるほど高所作業車の車体が大きく重くなる仕組み

その結果、現場でこんな問題が起きる

サイズと重さの読み違いは、実際の現場で次のような形で表面化します。

  • 作業場所までの通路に車体が収まらず、窮屈になる、またはたどり着けない
  • 使わないときの保管場所に収まらず、置き場所に困る
  • 車体が重くなり、荷下ろしに使うクレーンやフォークリフトの能力が足りず、下ろせない
  • 自分のトラックの荷台に積み込めない

実際に、購入した高所作業車が自分のトラックに積めず、現場へ運べなかったというお客様もいました。作業高さは足りていても、運べなければ使えません。

高所作業車のサイズの読み違いで現場に起きる4つの問題

失敗談② タイヤ式とクローラー式を間違える

足回りの選択を誤る失敗も、よく聞きます。

高所作業車の足回りには、大きく分けてタイヤ式とクローラー式があります。クローラー式とは、ブルドーザーのように、クローラー(履帯)で走るタイプです。この2つは、向いている現場がはっきり分かれています。

タイヤ式とクローラー式の向き・不向き

それぞれの得意な場所は次のとおりです。

  • タイヤ式:舗装路やコンクリートの地面、傾斜が少ない現場に向く
  • クローラー式:砂利道、土の地面、雨でぬかるむ現場に向く

地面の状態によって、選ぶべき足回りが変わるということです。

タイヤ式とクローラー式が向く現場の違い

「タイヤ式しかない」と思い込んだ結果

高所作業車はタイヤ式しかない、と思い込んでタイヤ式を購入した方がいました。

その方の現場は、舗装されていない地面でした。結果、雨の日にタイヤがよく滑る、地面がぬかるんで泥にはまる、という事態が起きました。自分の現場の地面がどんな状態かを先に確認していれば、クローラー式という選択肢に気づけたかもしれません。

失敗談③ 作業性のイメージと実際の仕様がズレる

「こう使えるはず」という思い込みと、実際の仕様が違っていた失敗もあります。

高さを上げたまま走行できると思っていた

高所作業車の多くは、作業台を上げたままでは走行できません。

これは安全のための仕様です。高く上げた状態ほど転倒の危険が増すため、ほとんどの機種で安全装置が働き、上げたままの走行ができないようになっています。

あるお客様は、壁のペンキ塗りに使う予定でした。作業台を上げたまま少しずつ横へ走らせ、塗る場所を移動させたいと考えていたのです。しかし実際には安全装置が働き、上げたままでは走行できませんでした。イメージと仕様が違っていた例です。

上部テーブルがスライドするか確認していなかった

作業台の使い勝手も、見落とされやすいポイントです。

機種によっては、上部のテーブル(作業台)が前後にスライドします。スライドしない機種だと、作業台の上での移動できる範囲が限られます。確認せずに購入し、作業台の上が思ったより狭く感じた、という声もありました。作業台の上で横方向に動きたい場合は、スライドするタイプを選ぶと安心です。

上げたままの走行や作業台のスライドなど確認すべき仕様

なぜ失敗するのか ― 見落としは「作業の前後の動線」

これらの失敗には、共通する原因があります。「作業の前後の動線」の見落としです。

肝心の作業内容そのものは、ほとんどの方がしっかり検討します。どのくらいの高さで、何の作業をするか。ここは皆さん抜かりません。見落とされるのは、その作業の前と後の流れです。

具体的には、次のような部分です。

  • 機械を運んできて、荷下ろしする手段
  • 現場の作業場所まで、機械を走らせる動線
  • 作業が終わったあとの、片付けと保管までの流れ
運搬から保管までの作業の前後の動線と見落とされる部分

サイズの失敗も、足回りの失敗も、たどっていくとこの「前後の動線」の確認漏れに行き着きます。

失敗を防ぐ2つの対策

では、どうすれば防げるのか。現場の声から見えてきた対策は2つです。

高所作業車選びの失敗を防ぐ2つの対策

対策1:作業の前後の動線まで把握する

作業内容だけでなく、その前後の動線まで含めて確認します。

荷下ろしの手段は足りるか。現場までの通路に車体は収まるか。保管場所に入るか。ここまで具体的に確認しておくと、サイズや重さの失敗は大きく減らせます。

対策2:一度レンタルで借りて使ってみる

最も確実なのは、購入前に一度レンタルで借りて使ってみることです。

高所作業車は、操作系が機種や年式で意外と違います。たとえば次のような差があります。

  • 1本のレバーで走行操作する機種と、2本のレバーで走行操作をする機種がある
  • キースイッチ(メインの電源スイッチ)が車体の上にある機種と、下にある機種がある

キースイッチが下にある場合、作業台に登ってから入れ忘れに気づくと、一度下に降りて、もう一度下のキースイッチを回す必要があります。一回ごとは小さな手間ですが、使う頻度が高いほど、こうしたわずかなストレスは積み重なっていきます。

実際に借りて使えば、こうした操作感の違いを体で確認できます。借りた機械が気に入れば、同じような機種を探せばよいだけです。レンタルを通じて「自分が何を重視するか」という選定の軸ができあがります。

走行レバーの本数とキースイッチ位置の違い

失敗するとどうなるか

選び方を誤ったとき、結果は失敗の程度によって変わります。

軽度であれば、毎日少しずつストレスを感じながら、そのまま使い続けることになります。操作のしづらさや、保管時の置きにくさなどです。我慢できる範囲であれば問題ありません。最初はあまり快適に思えなくても、使い慣れてくれば普通に感じるようになります。

重度の場合は、買い直しという最悪の事態もあり得ます。作業場所までの通路に車体が収まらずたどり着けない、トラックに積めず現場へ運べない。こうなると、その機械は本来の用途で使えなくなってしまいます。

まとめ ― 失敗談から学ぶ選び方のチェックポイント

最後に、失敗談から見えてきた確認ポイントをまとめます。

  • 高さだけで選ばない。横幅・全長・縮めた時の高さ・車体重量も確認する
  • 車体の重さが、荷下ろし機材とトラックの能力に収まるか確認する
  • 現場の地面の状態に合わせて、タイヤ式かクローラー式かを選ぶ
  • 上げたまま走行できるか、作業台がスライドするかなど、使い方に必要な仕様を確認する
  • 作業そのものだけでなく、運搬・荷下ろし・走行・保管という前後の動線まで把握する
  • 迷ったら、購入前に一度レンタルで借りて使ってみる
高所作業車選びの失敗を防ぐチェックポイント6項目

高所作業車選びの失敗は、その多くが事前の確認で防げます。実際に使った方の失敗談を、ご自身の機種選びに役立てていただければと思います。

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この記事を書いた人

とある建機販売会社に勤務。
整備や販売の現場に日々携わっています。
実際に機械を見て、触ってきた経験をもとに、購入、買換え、メンテナンスなど役立つ建機情報を分かりやすくお届けします。

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